2015年07月01日

安全保障関連法案に反対する意見書提出について反対討論を行いました

s-C.jpg 平成27年7月1日、第2回定例会において出された、「安全保障関連法案に反対する意見書提出について」反対の立場から討論を行いました。安全保障関連法案については、政府の説明不足から、国民の間に誤解が生じており、今後とも日本の平和を守るために必要な法制であることを丁寧に説明し続けることが大切です。
 
 以下は、討論の内容です。

私は公明党市議団を代表し、請願第3号及び請願第4号の「安全保障関連法案に反対する意見書提出について」の請願2件に対し、反対討論をおこないます。
 
私ども公明党は、平和の党として「行動する平和主義」を掲げ、行動が伴わない観念的な平和論ではなく、現憲法の精神に則り、国際社会の平和と安定のため、外交努力による紛争の未然防止と平和的解決に向けて、中国・ロシア・韓国など近隣諸国を含め諸外国と、これまで積極的に外交努力を積み重ねてきているということを、まず申し述べさせていただき、本題に入ります。

 今、日本をはじめ、世界を取り巻く安全保障の状況は、絶え間ない地域紛争や大国間の対立など緊張状態にあります。核兵器や弾道ミサイルなどの大量破壊兵器の脅威があり、しかもそれが各地に拡散しているといわれております。近隣諸国の中には、日本の大半を射程に入れる弾道ミサイルを配備し、核兵器も開発していると指摘されている国もあります。また、世界各地でテロが発生し、海外では日本人も犠牲になっています、そしてサイバーテロの脅威も深刻です。今や脅威は容易に国境を越えてやってきます。

 こうした中にあって、国と国民を守ることは政治の最も大事な責務であり、どのような状況にあっても対応できる隙間のない安全保障体制を構築する必要があります。
 今回の法整備の目的の一つは、自国防衛のための日米防衛協力体制の信頼性、実効性を強化する事にあります。平時から有事に至るまで隙間のない法整備をすることによって、日頃から日米間の連携や協力が、緊密にできるようになります。こうした日頃からの十分な備えが、結果として「抑止力」を高め紛争を未然に防ぐことができると思います。

 一方で国際社会の平和と安全に貢献することも重要であります。なぜなら、国際社会の平和と安全があってこそ、日本の平和と繁栄を維持できるからであります。これまで日本は国際平和協力の場面では20年あまりにわたって、PKO法に基づき、自衛隊がその役割を担ってきております。 ただし、日本の平和と安全を守るといっても、大切なのは紛争を未然に防ぐための平和外交努力です。この努力を尽くす中で、安全保障関連法の整備による「抑止力」の強化も、紛争の未然防止につながります。
今回の請願では、「安全保障関連法案は、6月4日の衆議院憲法審査会では、全ての参考人(憲法学者)が違憲とするなど、同法案の現憲法下での正当性が疑われている」とのことですが、これまでも多くの憲法学者は、自衛隊の存在や日米安保条約、PKOを憲法違反だと言ってこられましたが、いずれも現在、憲法違反とはされておらず、多くの国民が容認しておられるのではないでしょうか。学者の役割は多様な見解を世の中に示すことであり、政治家の役割は国民の生命と財産を守る義務を負っているということであります。先の衆議院憲法審査会での3人の参考人が違憲だとする見解については、あくまで一つの意見であって、国の政策を拘束するものではありません。参考人はあくまで参考人であり、合憲・違憲の最終判断は最高裁判所の権能であります。
また、過去、PKO法案については3国会かけて審議したのに、安保関連法案について、今国会だけでは審議が不十分との声がありますが、6月14日付の日経新聞に「PKO国会の神話と史実」との記事があり、「3国会をかけて審議したので理解が広がった」との意見に対し、「史実は牛歩戦術など異常な審議だった。PKO法案の場合、反対した政党や新聞は、3国会の審議でも十分と考えなかった。時間の多寡ではないらしい」とありました。また、この時、PKO法反対の急先鋒の論陣を張ったある全国紙は、10年後に「ともに汗を流す貴重さ 自衛隊PKO」「自衛隊に専門の部隊を PKO10年」との記事を掲載し自衛隊の海外派遣を容認したとのことであります。 
今回の平和安全法制は、わが国を取り巻く国際環境が厳しさを増す中、紛争を未然に防ぐ「抑止力」を高めるための法整備であり、憲法に謳っている、国民の生命、自由、幸福追求に対する権利を国が最大限尊重すること、つまり、国民の安全を守るのは国の最大の使命であり、政治がそのために必要な法律や原則の整備を進めるのは当然のことであります。
今回の法案が定める内容は、あくまで日本にとっての自衛措置であることが新3要件で明確に示されており、憲法の枠組みを逸脱しておりません。
新3要件の内容は、
第1点、わが国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される場合
第2点、これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないとき
第3点、必要最小限の実力を行使する
というものであり、極めて厳しい条件を付しております。諸外国には認められているような、もっぱら他国防衛を目的としたフル規格の集団的自衛権は行使できないよう歯止めをかけているということを強く申し述べておきます。

また、請願では「他国での集団的自衛権の行使に踏み切るのではないかとの危惧がある」とのことですが、だからこそ新3要件を明示し、自衛隊の海外派遣については、国連決議がある場合のみで、例外なく国会の事前承認を必要とし、自衛隊員の安全確保を図るなどの3原則を設け、またこれまでのPKO参加の5原則を踏まえるなど、武力行使の拡大につながらないよう、二重三重の縛りを設けております。自衛隊の武力行使については、自国防衛の「自衛の措置」に限って許され、もっぱら他国防衛を目的とした集団的自衛権の行使はできないとする政府の憲法9条解釈の根幹はなんら変わっておりません。

 民主党政権時に防衛大臣を務めた森本敏氏は、「自衛隊による他国軍隊への支援活動についても、現に戦闘が行われている現場では行わないということを確保しつつ、任務を遂行する仕組みになっているのに、「米軍の戦闘に巻き込まれる」という批判を繰り返すことは、法案を十分に理解しておらず、国民の不安を煽るだけの、ためにする議論としか思えない。」と言われております。
「いつでも、どこでも、日本が戦争に参加する仕組みがつくられる」などの批判は、支援の目的、趣旨や、厳格に定められた要件、手続きなどを全く無視した極めて短絡的な主張と言わざるを得ません。

 今回の安全保障関連法案は、国民を守るため隙間のない防衛体制を整備するとともに、国際社会の平和と安全のための貢献を進める事を目的としており、憲法9条の下でできることと、できないことを整理したものであります。あくまで「自国防衛」「専守防衛」のためであり、いわゆる他国を防衛するための集団的自衛権を認めたものではないことは、明らかであります。

 従って、安全保障関連法案は憲法9条の枠を超えるものではなく、「安全保障関連法案に反対する意見書提出について」の請願第3号及び請願第4号の請願2件に対しては反対であります。
以上で、公明党市議団を代表しての討論を終わります。


posted by 上田ゆういち at 16:30| 議会報告